商標についている”Ⓡ”の意味
商品のパッケージに表示された商品名や、お店の看板に表示された店名の右脇あたりに、”Ⓡ”というマークがついているのを見かけることがあると思います。
実は、当ウェブサイトのトップページ(「全力で知財を守り抜く」の下にある文章中)にも、「かかりつけ知財ドクターⓇ」という記載があります。
この”Ⓡ”は、登録商標(Registered Tradamark)の頭文字Rから取ったもので、 ”Ⓡ”がついている商標は登録された商標(登録商標)であることを表示しているのです。
登録商標に”Ⓡ”をつける理由
登録商標を他人が勝手に使用すると、商標権の侵害となります。しかし、 商品のパッケージに表示された商品名や、お店の看板に表示された店名を見ただけでは、それが登録商標かどうかがすぐには分かりませんので、他人が誤って使ってしまう可能性もあります。
そこで、商標に”Ⓡ”をつけて登録商標であることを積極的に表示することで、他人に対する注意喚起となって、商標権の侵害を未然に防ぐことが期待できます。
その他、登録商標が一般化することを防止する効果や、商標に対する信用力がアップする宣伝的な効果も期待できます。
登録商標には必ず”Ⓡ”をつけなければいけないか?
日本において、登録商標への”Ⓡ”の表示は、義務的ではありません。法律上は「努力義務」という位置づけですので、つけてもいいし、つけなくても構いません。
外国については、国によって法律や制度運用が異なりますので、詳しくはお問い合わせください。
登録されていない商標に”Ⓡ”をつけたらどうなるか?
これは、法律上NGとなります。登録商標以外の商標の使用をする場合において、その商標に商標登録表示又はこれと紛らわしい表示を付する行為をすると、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処せられます。
登録されていない商標の場合、どのような表示をすればよいか?
商標出願をしたお客さまから「商標に”Ⓡ”をつけてもいいですか? 」とお問い合わせを頂くことがあります。しかし、商標出願をしただけでは登録商標ではありませんので、上記の理由から”Ⓡ”をつけることはできません。
ではどのような表示をすればよいか?
この場合、”Ⓡ”の代わりに”TM”をつけることができます。この”TM”は、商標(TradeMark)という意味であり、商標が登録されいるか否かに関係なく使うことができる表示です。商標出願を済ませたものの未だ登録されていない商標につけることが多いですが、それに限らず、 商標出願を済ませていない商標につけても構いません。
なので、上記のようなお問い合わせを頂いた場合には、いまは商標に”TM”をつけて使いながら、その商標が登録されたタイミングで”Ⓡ”につけ替えるようにアドバイスしています。
なお、学習塾、銀行、保険などのサービスに関する商標の場合は、 特に、サービスマーク(Service Mark)を意味する”SM”をつけることもあります。