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実務・運用
2021.12.17

知的財産のライセンスについて

アイデア・デザイン・ブランドといった知的財産は、特許権・意匠権・商標権などの知的財産権を取得することで独占することができます。

「独占」ですので、もし、他社がその知的財産を利用した製品を製造・販売していたときは、それを止めさせたり、損害を賠償させることができます。例えば、自分の土地に無断で車が停められていれば、車をレッカーで移動させたり、違約金を支払わせることができるのと同じです。

また、積極的に他社に製品の製造・販売を許可して、その対価(金銭)を受け取ることもできます。土地の例でいえば、月極駐車場にして貸すのと同じです。これがライセンスです。なお、ライセンスにより受け取る金銭を「ライセンス料」や「ロイヤルティ」と言ったりします。

ライセンスの種類

知的財産のライセンスには、大きく分けて、独占的ライセンス非独占的ライセンスの2種類があります。

独占的ライセンスは、ライセンス契約を結ぶことができる相手を1社のみに限定したライセンスです。すなわち、ある会社と独占的ライセンスの契約を結んだら、他の会社とはライセンスを契約することができなくなります。結局、独占的ライセンスを持つ会社が(契約の範囲内で)知的財産を独占することができますので、非常に強力な権利を認めるライセンスです。当然ですが、ライセンス料は一般に高額になります。

それに対し、非独占的ライセンスは、複数の相手とライセンス契約を結ぶことが可能なライセンスです。知的財産は「手に取ることができない情報」ですので、 複数の相手と非独占的ライセンスの契約を結んで、その知的財産を複数社に同時に利用させることもできるのです。 ライセンス料は、一般に独占的ライセンスより低額になりますが、複数の相手と非独占的ライセンスを契約して、それぞれからライセンス料を受け取ることもできるのです。

どちらのライセンスを許可するかは、知的財産の活用戦略によってケースバイケースです。

ライセンス料の種類

ライセンス料は、当事者間で合意して決めるものですので、お互いが納得しているものである限り特にルールはないのですが、一般には、以下の3つを考慮してライセンス料を定めることとが多いです。

イニシャル・ロイヤルティ

ライセンス契約を結んだときに、権利者が受け取るライセンス料を言います。金額はケースバイケースで、ゼロの場合もありますし、○千万円、 ○億円といった高額になる場合もあります。

ランニング ・ロイヤルティ

ライセンス契約の期間中に、権利者が定期的に受け取るライセンス料を言います。ランニング・ロイヤルティを定額とするケースもありますが、一般には、ライセンス契約に基づいて製品を製造・販売した場合に、その製品の売上高に応じた従量制にすることが多いです(一般的な計算式は以下のとおり)。

〔(製品の売上高)-(輸送等にかかる経費)〕✕ ライセンス料率

ライセンス料率は、一般には2~5%とも言われていますが、分野や条件などによりケースバイケースで、例えば20%ということもありますし、逆にコンマ数%ということもあります。

ライセンス料率を検討する際には、経済産業調査会が発行している書籍『ロイヤルティ料率データハンドブック(現代産業選書-知的財産実務シリーズ)』が参考になります。

ミニマム ・ロイヤルティ

製品の売上高に関係なく権利者が受け取る最低額のライセンス料を言います。ランニング・ロイヤルティに追加されるケースや、ランニング・ロイヤルティに充当される(ランニング・ロイヤルティとミニマム・ロイヤルティの高い方がライセンス料になる)ケースがあります。

特に、独占的ライセンスの契約ではミニマム・ロイヤルティの規定が設けられることが多いです。というのも、独占的ライセンスの契約を結んだにも関わらず、その会社が製品を製造・販売しなかったときには、権利者はライセンス料を受け取ることができず、それでいて他社にライセンスすることもできないことから、そのような事態に陥ることを避けるべく、実質的に最低数量の製品を製造・販売する義務を課す必要があります。