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2021.09.18

特許と実用新案は何が違うの?

特許事務所で仕事をしていると、特許と実用新案の違いを聞かれることがよくあります。

確かに、技術的なアイデアについては、「所定」の条件を満たせば、特許でも実用新案でも「所定」の保護を受けることができます。その点においては、特許も実用新案も同じです。

ただし、カギ括弧をつけた「所定」の部分において、特許と実用新案で違う部分があります。

その中でも、特に注意しておきたい違いを、以下に纏めてみたいと思います。

技術的なアイデアの内容

実用新案で保護が受けられる技術的なアイデアは、「物品の形状、構造又は組み合わせ」に限られています。

「物品」とは、手に取ることができる有体物を意味しますので、プログラムのような無体物のアイデアについては、実用新案で保護を受けることができません。また、「形状、構造又は組み合わせ」となっていますので、液体や気体のように形状・構造を特定することができない物品のアイデアや、物品の使い方・製造方法といった方法のアイデアについても、実用新案で保護を受けることができません。

一方、特許で保護を受けられるアイデアには、「技術的」なアイデアであること以外には、特に制限ありません。もちろん、プログラムでも、液体や気体でも、方法でもOKです。

  • 特許:技術的なアイデアであればOK
  • 実用新案:物品の形状、構造又は組み合わせに関するアイデアのみ


特許庁での審査の有無

技術的なアイデアについて保護を受けるためには、特許でも実用新案でも、必要な書類を揃えて特許庁に出願(申請)する必要があります。

特許の場合、その書類に記載された技術的なアイデアが法律上の条件を満たしているか否かについて、特許庁で具体的な審査がなされます。そして、法律上の条件を満たしていると判断された場合のみ、特許が登録されます。

一方、実用新案の場合、方式的なチェックのみ行われ、その出願に記載された技術的なアイデアが法律上の条件を 条件を満たしているか否かについて審査はなされず、そのまま実用新案が登録されます。

  • 特許:審査がなされて法律上の条件を満たしている場合のみ登録される
  • 実用新案:審査はなくそのまま登録される

なお、実用新案では、審査がなされないことから確実に登録されますし、手続き回数も少なくなることから特許よりも登録までの期間も短く、費用も安く済みます。牛丼ではないですが「はやい、やすい、確実」です。

一見するとメリットばかりですが、そんなうまい話はありません。当然にデメリットも多くあります。

ここでは詳細は割愛します(別のコラムとして書きたいと思います)が、ひので総合特許事務所で実用新案をお勧めするケースは、極めて限定的であることだけ申し上げておきます。

保護を受けられる期間

特許と実用新案では、その技術的なアイデアについて保護を受けられる期間が異なります。

  • 特許:出願から20年(特例で25年の場合あり)
  • 実用新案:出願から10年

なお、登録になったら自動的に上記期間中ずっと保護を受けられる訳ではなく、特許・実用新案を維持するための費用を毎年特許庁に納める必要があります(年1回なので「維持年金」と呼んだりします)。