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法律・制度
2022.06.10

公報ってどんなもの?

知的財産の分野における公報とは、特許庁が「どのような出願(登録)があったか」について世の中に知らせるために発行する文書のことを指します。特許・実用新案・意匠・商標すべての法域において発行され、そのステージによって主に以下2種類に分けられます。

公開公報

公開公報とは、出願があってしばらくすると発行される公報です。

  • 出願の内容について一般に公開することが目的
  • 審査結果とは関係なく全出願について自動的に発行
    (まだ権利になっていない)
  • 公開公報が出るのは特許商標のみ
    (特許は出願から1年6ヶ月後、商標は出願から2~3週間後に発行)

公開公報の注意点

公開公報の内容で権利が発生しているとは限らない、ということには注意が必要です。公開された出願の中には、権利化まで辿り着かないものや、登録時の権利範囲が変わっているものも多く含まれています。
自社の技術や商標が公開公報に記載の内容に抵触する可能性がある場合には、それが本当に権利化され維持されているかをまず確認することが大切です。

登録公報

登録公報とは、出願が特許庁に登録された後に発行される公報です。

  • 登録(権利)の内容について一般に公開することが目的
  • 審査を通過し、登録になった権利について発行
  • すべての法域で発行される
    (「特許公報」「実用新案公報」「意匠公報」「商標公報」)

登録公報の注意点

登録公報に記載の内容は、「少なくとも1度は」権利が発生しています。「少なくとも1度は」と書いたのは、一旦登録になっても、権利を維持するための年金(年金についてはこちら)が支払われなかった場合や、その他何らかの理由で権利が消滅している場合があるからです。

また、登録公報に記載されている情報はあくまでも「登録時のもの」です。登録後に権利の内容や権利者が変更になっている場合もあります。最新の登録情報を知りたい場合には、特許庁にある「原簿」を確認する必要があります

≪まめ知識≫
公報に記載の各項目の先頭についているカッコのついた番号はINIDコードといい、世界共通の番号です(※法域間では若干違います)。これによって、例えば出願番号は(21)、公開日は(24)等、異なる書式や言語でも必要な情報がすぐに見つけれられるようになっています。

公報の入手方法

公報は、インターネットで入手することができます。日本の公報であれば、J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)から取得するのが一般的です。出願番号や公報番号からだけではなく、出願人や権利者の名前や出願日等の日付から検索することも可能です。詳しいJ-PlatPatの使い方についてはこちらをご覧ください。