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2021.08.15

発明の新規性とは?

発明の新規性とは、その発明が客観的に新しいものであるかということです。発明した人が自分の中で「これは新しい発明だ!」と思ったとしても、すでに世間に知られているものであれば、その発明は新規性がない発明となります。

発明の新規性がないってどういう状態?

  • 日本国内又は外国において公然知られた発明
  • 日本国内又は外国において公然と実施された発明
  • 日本国内又は外国において、刊行物に記載された又はインターネットで公開された発明

は、発明の新規性がないことになります。

具体的には、守秘義務のない第三者が発明を知った、または、守秘義務のない第三者がその発明を知りえる状態にあることを言います。

発明の新規性がなくなる典型例

  • 秘密保持契約を結んでいない取引先に発明品の試作品を見せてしまった、あるいは、渡してしまった
  • Facebook、Twitter、Instagram等のSNSに発明品の図面や写真ををアップしてしまった。
  • ホームページに発明品を公表してしまった。
  • 発明品を販売してしまった。

上記のような行為をしてしまった場合は、その発明は新規性がなくなっている可能性が高いと考えられます。

なぜ、発明の新規性が必要なのでしょう?

発明の新規性というのは、発明が特許を取得するために必要な要件の一つとなっています。
特許というのは新しい発明に対して与えられるので、特許出願後の審査においてその発明に新規性があるかどうかが判断されます。
この審査の際、特許出願時を基準に、発明に新規性があるかどうか判断されます。 特許出願「時」基準なので、時分も問題となります。

発明の新規性を失わないために

発明の新規性を失わないため、特許出願をする前には、守秘義務のない第三者に発明の内容を説明したり、ホームページやSNS等で発明を公開したりなどしないようにしてください。ただし、発明の新規性を失っても、一定要件下、新規性を喪失しなかったことにすることができる救済措置も設けられています(これについてはまた別のコラムで)。

なお、弁理士は、弁理士法によって依頼者の秘密を守る義務が課されており、弁理士に話しても発明の新規性は失われませんので、ご安心ください。